居酒屋お夏/岡本さとる

第一話 けちな飯
第二話 おちゃけ
第三話 朝粥
第四話 二人で二合

行人坂を上りきったとてほっとするのはまだ早い−。

目黒永峯町界隈に住む者達にとって、忘れてはならぬ心得である。

霊場として大いに栄えた泰叡山 (さんずい)龍泉寺、通称 目黒不動からほど近いこの通りに、ひとつ難所があるからだ。

難所といってもその前を通るといつも美味そうな匂いが漂い、何やら懐かしい気持ちにさせられる。

そこは、店先に掲げられた幟に”酒 飯”とだけ染め抜いてある居酒屋なのだ。

そして、この店の”お夏”という女将の存在こそが、難所と言われる所以なのである。

居酒屋お夏 より

口の悪い女将「お夏」と中背だが体は引き締まっていて、鼻筋の通った顔は苦み走っている影のある料理人”清次”の居酒屋が舞台である。そこに集まってくるお客との人情話であるが、謎の美女「天女」があわられ、話が展開していく。

あっという間に読んでしまった。お夏と目黒不動門前で口入れ屋を営んでいる”不動の親方”龍五郎との軽妙な掛け合いなどとても楽しかった。

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