【読書感想】囲碁を知らない私が『幻庵』に夢中になった理由
百田尚樹さんの『幻庵』を読み終えました。正直に言うと、私は囲碁のルールすら知りません。黒と白の石を交互に置くゲーム、という程度の知識しかありませんでした。そんな私でも、この小説には心をつかまれ、ページをめくる手が止まりませんでした。
■ 囲碁の知識ゼロでも大丈夫だった
井上幻庵因碩という実在の棋士をモデルにした主人公は、まさに“勝負師”。名人位を目指す中で、時に冷静に、時に情熱的に、己の信念を貫いていく姿がとても魅力的でした。特に、勝負に敗れた少年が「碁の深さに感動して泣いた」と語る場面には、囲碁を知らない私でも胸が熱くなりました。
江戸時代の囲碁界というニッチな世界を舞台にしながらも、そこに生きる人々の人間関係や時代背景が丁寧に描かれていて、まるで時代劇を観ているような臨場感がありました。囲碁というテーマを通して、武士道や名誉、家の誇りといった日本的な価値観にも触れられるのが面白かったです。
■ まとめ:囲碁を知らない人にこそ読んでほしい
『幻庵』は、囲碁の知識がなくてもまったく問題なく楽しめる作品です。むしろ、囲碁の世界を知らないからこそ、登場人物たちの情熱や勝負の重みがより鮮烈に感じられるのかもしれません。
囲碁に興味がない人、歴史小説は難しそうと思っている人にこそ、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
最初は「囲碁の話って難しそう…」と身構えていました。でも、読み進めるうちに気づいたのは、この物語の本質は「勝負の世界に生きる人間たちのドラマ」だということ。囲碁の専門用語や棋譜の細かい説明はほとんどなく、むしろ登場人物たちの情熱、葛藤、誇りが前面に描かれていて、自然と物語に引き込まれていきました。