「記録する黒」──プラチナ万年筆インクの世界と、私が選ぶカーボンインク

投稿者: | 2025年9月19日

万年筆を使う理由は人それぞれだが、私にとってそれは「記録することの意味」を問い直す行為でもある。紙に残る言葉、時間を超えて残る筆跡──それらを支えるのが、インクという存在だ。十年以上にわたって手帳に日々の出来事などを書き込んでいる。しかし、インクによっては年月を経るにつけて、薄れてしまって読めなくなってしまうこともある。

今回は、プラチナ万年筆が展開するインクシリーズを紹介しつつ、私が最も信頼を置いている「カーボンインク」について掘り下げてみたい。

🖋 プラチナ万年筆のインクラインナップ:色彩と機能の両立

プラチナ万年筆は、インクの種類が豊富で、それぞれに明確なコンセプトがある。

  • クラシックインク:鉄分を含む古典的処方。筆跡が時間とともに変化し、まるで記憶が熟成されるような趣がある。
  • ミクサブルインク:色を混ぜて自分だけの色を作れる。創作やデザイン用途に最適。
  • 富士インクシリーズ:富士山の自然をテーマにした色彩。風景を閉じ込めたような色味が魅力。Amazon等では販売されていない。私もみたことはない。
  • 超黒インク:濃度の限界に挑んだ黒。筆跡が紙に沈み込むような存在感。
  • カーボンインク:そして、私が最も使っているのがこのインクだ。

💧 水性顔料インクとは──「色を乗せる」インクの哲学

カーボンインクを語るには、その根幹にある「水性顔料インク」という技術を理解する必要がある。

✅ 水性顔料インクの特徴

  • 水をベースにした安全性の高い処方  揮発性有機溶剤を使わず、環境にも優しい。
  • 顔料粒子が紙の表面に定着する  染料インクのように紙に染み込むのではなく、粒子が「乗る」ことで発色と耐久性を両立。
  • 耐水性・耐光性に優れる  水に濡れても滲みにくく、光による色褪せも起こりにくい。長期保存に適している。
  • にじみにくく、細線表現に向いている  イラストや図面、契約書など、精密な筆記に最適。
  • 乾燥後は安定するが、ペン内部では詰まりやすい  定期的な洗浄やスリップシール機構のあるペンとの併用が推奨される。

このような性質から、カーボンインクは「水性顔料インクの中でも特に濃度と堅牢性を高めたもの」と言える。つまり、記録の信頼性を極限まで高めたインクなのだ。

🖤 カーボンインク──「消えない言葉」のための選択

顔料系インクであるカーボンインクは、水にも光にも強く、時間の経過に耐える。契約書や公文書にも使えるほどの堅牢性を持ち、私のように「記録」を重視する人間にとっては、まさに理想的なインクだ。

✅ 実用面での信頼性

  • 耐水性・耐光性:雨に濡れても滲まず、長期保存にも耐える。
  • 発色の安定性:黒の深さが安定しており、筆跡がくっきり残る。
  • 乾きの速さ:速乾性が高く、手帳や書類への記入にも安心。

⚠️ 注意点と工夫

  • 顔料インクゆえに乾燥しやすく、ペン先の詰まりに注意が必要。私は「スリップシール機構」搭載の♯3776センチュリーを使い、定期的に洗浄している。
  • プレピーやプレジールなどの廉価モデルで運用するのも一つの方法。万が一詰まってもダメージが少ない。

✍️ 「黒」で語る日常──私の使い方

このインクで書いたメモは、数ヶ年後に見返してもくっきりと残っている。災害対応の記録、法務文書の下書き、ブログの構成案──どれも「消えてほしくない言葉」ばかりだ。

万年筆とインクは、単なる筆記具ではない。私にとっては「記録の相棒」であり、「思考の軌跡を残す道具」なのだ。

📌 まとめ:道具に宿る信頼

プラチナのインクは、色彩の美しさだけでなく、機能性にも優れている。そしてカーボンインクは、「記録すること」に真剣な人にこそ使ってほしい一本だ。

もしあなたが「残すこと」に価値を見出すなら、この黒はきっと、あなたの言葉を守ってくれるだろう。

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