今回は、旅情ミステリーの巨匠・内田康夫先生が描く、歴史ロマン溢れる傑作『戸隠伝説殺人事件』をご紹介します!
本作の主役は、お馴染みの名物刑事「信濃のコロンボ」こと竹村岩雄警部。 戸隠山に伝わる「鬼女紅葉(きじょもみじ)伝説」の呪いが生々しく現代に蘇る、シリーズ屈指の緊迫感あふれる名作です。
どんなお話?(あらすじ)
舞台は長野県・戸隠。 その山中にある「毒の平(ぶすのたいら)」と呼ばれる場所で、凄惨な殺人事件が発生します。
「毒の平」とは、かつて都から流された美しき鬼女・紅葉が、討伐に赴いた敵の将軍・平維茂(たいらのこれもち)に毒酒を飲ませて殺そうとしたという、伝説のいわく付きの土地。
まるでその伝説の怨念を現代に蘇らせたかのように、「毒の平」を発端として次々と引き起こされる連続殺人事件。長野県警の竹村岩雄警部は、戸隠の深い霧と歴史の闇に隠された、恐るべき陰謀と一族の愛憎劇に立ち向かうことになります――。
ここが面白い!3つの見どころ
① 伝説の地「毒の平」がもたらす圧倒的なおどろおどろしさ
本作の最大のフックは、事件の発生現場が「毒の平」であるという点です。 平維茂が紅葉に毒酒を飲まされたという伝説の場所で、現代の殺人が行われる――。このシチュエーションだけで、ミステリーファンなら鳥肌が立つはずです。戸隠の厳かでありながらも、どこか妖気漂う雰囲気が全編を通して見事に描かれています。
② 「信濃のコロンボ」竹村刑事の鋭い執念
ヨレヨレのコートでお馴染み、一見地味ながらも超一級の洞察力を持つ竹村刑事。 地元長野の歴史や伝承が絡む難事件に対し、伝説の背景を紐解きながら、足を使った執念の捜査で犯人のトリックを暴いていきます。愛妻・陽子さんとのコミカルな日常シーンが、事件の不気味さを程よく和らげてくれるのも魅力です。
③ 紅葉と維茂の因縁が現代に重なる、哀しい人間ドラマ
内田康夫作品の真骨頂は、ただの犯人当てで終わらない「動機」の深さにあります。 かつて戸隠の地で争った紅葉と平維茂のドロドロとした因縁が、現代の登場人物たちの血縁や愛憎関係に見事にシンクロしていく展開は圧巻。ラストに待ち受ける切ない真実には、深く考えさせられます。
『戸隠伝説殺人事件』はこんな人におすすめ!
- 「鬼女紅葉」や「平維茂」の歴史伝承、オカルトチックなミステリーが好きな人
- 「毒の平」といういわく付きの舞台設定にゾクゾクしたい人
- 信濃のコロンボ(竹村刑事)の、泥臭くも鮮やかな捜査劇を楽しみたい人
日本の旅情ミステリーの面白さがこれでもかと詰まった、一気読み必至の傑作です。
まとめ:戸隠の闇とロマンを旅する一冊
『戸隠伝説殺人事件』を読んだ後は、戸隠神社の美しい杉並木だけでなく、伝説の舞台となった「毒の平」の跡地など、鬼女紅葉の伝説を巡る旅に出たくなってしまいます。
歴史の知識があるとより一層楽しめる作品ですので、ぜひ皆さんもページをめくって、竹村刑事と一緒に戸隠の謎に挑んでみてください!
「毒の平」という舞台や、紅葉伝説の見立てについてみなさんはどう感じましたか?ぜひコメントで教えてくださいね。
それでは、素敵な読書タイムを!