先日、Netflixで配信が始まったばかりの映画『かくかくしかじか』を観ました。
大好きな漫画家・東村アキコ先生の自伝的エッセイ漫画の実写化。
東村先生といえば、私の中で大好きな作品がもう一つあります。戦国武将・上杉謙信の女性説を描いた歴史大作『雪の虎』です。
一見、全く違う毛色の作品に見えますが、実はどちらも東村先生の人生のルーツが色濃く反映されているんですよね。生まれ育った「宮崎」と、大学時代を過ごした北陸の「富山(金沢)」。
『雪の虎』で描かれる凛とした雪国の冷たくて美しい空気感は、きっと先生が北陸で過ごした日々があったからこそ生まれたもの。そんな風に先生の歩んだ道に想いを馳せると、今回の映画がより一層深く感じられました。
映画は期待以上で、スクリーン(画面)に映し出される宮崎西高校の風景や、役者さんたちが一生懸命に届けてくれる宮崎弁の響きに、最初から胸が熱くなりっぱなしでした。
ですが、特に私の心を揺さぶったのは、あのラストシーンでした。
ひか先生(大泉洋さん)とあきこ先生(永野芽郁さん)の、魂が触れ合うような掛け合い。
その背景に広がっていたのは、見覚えのある宮崎の海岸でした。おそらく、佐土原の石崎浜あたりではないでしょうか。
観光地として切り取られた華やかな海ではなく、どこか切なくて、だけど圧倒的に雄大で温かい、あの遮るもののない太平洋と砂浜。
それは、私が普段の生活の中で「あぁ、宮崎だな」といつも感じている、そのままの風景でした。
東京でプロとして生きるあきこ先生のすべての始まりであり、今も彼女の根底を支えている場所。そこがあの海岸だったからこそ、「お前、描きよるか」というひか先生の声が、波の音と一緒に深く深く心に染み渡ってきました。
宮崎の風土が育てた東村アキコという才能と、それを生んだ宮崎の景色。
観終わった後、いつもの見慣れた地元の風景が、少しだけ愛おしく、誇らしく思えるような、最高の映画体験でした。
Netflixでいつでも観られるので、地元の方はもちろん、宮崎の空気を五感で感じたい方はぜひ観てみてください!